仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
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その夜、優莉は久しぶりに明日美と会う約束をしていた。
優莉が異動して以来だから三週間ぶりになる。それまではほぼ毎日のように店で顔を合わせていたため、もっと長く会っていなかった気がしてならない。
隼もちょうど今夜は取引先との予定が入っているらしく、別々にとる夕食も久しぶりだ。
待ち合わせた洋風居酒屋には明日美の方が先に到着していた。
「優莉、元気だった?」
「うん。明日美は?」
衝立があり、ちょっとした個室になっているテーブルに向かい合って座る。
「私も元気だよ。でもやっぱり優莉がいないと寂しいな」
そう言ってもらえるとうれしい。同期の門倉がいるとはいえ、やはり同性の明日美の存在は優莉にとっても大きいのだ。
ふたりでたまに来る店のため、お決まりのメニューをチョイスしてから再会を祝って乾杯。明日美はレモンサワーで、優莉はオレンジジュースだ。