仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
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その週末の昼下がり、優莉は隼に連れられてある場所にやって来た。
晴れて恋人同時になってから十日、隼自身もオープンの準備で忙しく、なにやら問題も抱えているようで久しぶりに揃っての休日となった。
「ここ、最近続々とオープンしてるフレンチレストランですよね」
隼が連れてきたのは、カジュアルなフレンチを楽しめるミニョンミネット、クールブロンのライバル店である。
「ちょっと動向調査にね」
スタッフに案内されてテーブルにつく。壁全体にエイジング加工が施された店内は、どことなくクールブロンを意識したような内装だ。客層も近くにあるクールブロンと同じくらいだろうか。
メニュー表を開いた優莉は、思わず「え?」と呟いた。並んでいる料理までそっくりだったのだ。
同じフレンチなら似たようなメニューになるのは当然。でも、料理に付けた名前も酷似しており、組み合わせている素材も同じだった。