仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
◇◇◇◇◇
「優莉」
優しい呼びかけが耳をくすぐり、優莉の意識を目覚めさせていく。頬を撫でられる感触に目を開けると、そこに隼の顔があった。唇にキスが落とされ、完全に目が覚める。
「おはよ、優莉」
微笑んだ隼はすでにスーツ姿だった。もしかして今、帰宅したのだろうか。
「隼さん、今帰ったんですか?」
「いや、昨夜遅く」
「それなら起こしてほしかったです」
料理は食べてもらえなかっただろうが、おめでとうくらいは言えたはず。
優莉は体を起こしてベッドに座った。
「よく寝てるのにかわいそうだから。ほら」
隼が胸ポケットからスマートフォンを取り出し、優莉に画面を見せる。
「えっ、やだ! なんでそんなの!」