仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
◇◇◇◇◇
明日美とのお茶を終えて帰宅すると、少し遅くなるかもしれないと言っていた隼が土曜出勤から帰っていた。
「隼さん、早かったんですね。おかえりなさい」
「ただいま」
隼が優莉を抱き寄せ、軽く唇を重ねる。
「優莉は友達とゆっくりできたか?」
「はい、じつは明日美が――」
「優莉さん、こんにちは」
結婚するんだってと言おうとした優莉は、そこで心臓が飛び跳ねた。隼の母親、佳乃がソファで立ち上がったのだ。
「お、お母さま、こんにちは!」
弾かれたように隼から離れ、取り乱しながら頭を下げる。まさか佳乃がいるとは思いもしなかった。
……もしかして、キスしたのも見られちゃったかな。
そう思うと恥ずかしくて顔から湯気が上がりそうになる。