仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
「こんにちは。突然お邪魔しちゃってごめんなさいね」
「いえっ、私こそ出かけていてすみませんでした」
前もってわかっていたら、おいしいケーキでも買って来られたけれど。
「いいのよ、私が勝手に来たんですから」
急いでキッチンへ行ってお茶の準備をしようとすると、隼が「俺が淹れたから大丈夫」と優莉を引き留めた。
「優莉の分も淹れるから座ってな」
肩を優しくトンとされ、言葉に甘えて佳乃の向かいに座る。
「この前、優莉さんがおいしいって言ってくれたから、また作ってきちゃったの」
「えっ! もしかしてフォンダンショコラですか!?」
思わず声のトーンが上がる。うれしくて肩も飛び跳ねた。
「そうなの」