仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
◇◇◇◇◇
三日後、優莉は同期の仲間たちと会社にほど近いスペインバルへやって来た。
幹事の門倉によると、ここ最近人気急上昇の店らしく、たまたまキャンセルがあったため予約を取れたと言う。
岩を模した壁や洞窟のような造りになっている個室は、それだけでも気分が上がる。
早速注文したビールでまずは乾杯。音頭は幹事の門倉だ。
「なんとみんな、驚くなかれ!」
乾杯の後、門倉は立ち上がったまま封筒のようなものをポケットから取り出した。
「じゃーん! 十万円の軍資金をゲットしましたぁ!」
効果音付きで門倉がそれを誇らしげに高く掲げる。
「えぇ!? 十万円!?」
「そんなのどこから出てきたんだよー」
驚きの声がみんなからいっせいに上がった。
そんなお金をいったいどこで調達してきたのかと、優莉も「すごーい」と手を叩きつつ門倉を見つめる。