仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
「はや、――社長、なにを言ってるんですかっ」
わざわざ社長と呼びなおし、優莉が慌てふためく。
「冗談は――」
「冗談じゃないだろう? もう一緒に暮らしているんだから」
優莉を遮って爆弾発言を投下した。
「マジですか!」
「きゃぁー!」
「社長と花崎さんが!?」
その場にいた者が騒然とする。脇を通っていく通行人も何事かと目を剥いた。
悠然と足を進め、優莉の隣に立つ。
「社内でも近々発表する予定だ。優莉は仕事を続ける予定だから、これからも同期として仲良くしてやってくれ」
「やっ、ちょっ社長……」
優莉は、なにをどうしたらいいのかパニック状態だ。おろおろとしている様子がかわいくて、隼は思わずその肩を引き寄せた。