仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
「おめでとうございます!」
「お幸せに!」
拍手が沸き起こり、激励が飛ぶ。
みんなに見送られ、まだ戸惑いの真っ只中にいる優莉を車に乗せた。
「隼さん、どういうことですか? 発表は正式に婚約してからって」
困ったように眉尻を下げながら優莉が抗議する。
「どのみち結婚するのは間違いないんだから、早くても遅くても一緒だろう」
「それはそうですけどっ」
拳を握った両手を懸命に胸の前で振る様子がかわいくて堪らない。
「みんな、びっくりしてたじゃないですか」
「そりゃあ、驚くだろうね」
「もうっ、人ごとなんですから」
ぷぅと頬を膨らませる優莉に不意打ちでキスをした。
優莉が目をぱちくりとさせる。