仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
「サンキュ」
隼はそれを受け取ると、すぐにキャップを開けてゴクゴクと喉を鳴らした。
「しっかし二十二歳の割に体力ないよな」
「社長こそ、三十五歳の割に足が速いですね」
「まだ三十四だ」
ムッとして返す隼を見て、もう一度笑いが込み上げる。
「そこ、笑う場面じゃないぞ」
頭をコツンと小突かれ、素直に「すみません」と謝る。
隼の目尻に浮かんだ笑みが、なぜかやけに印象的だった。