仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~

高級レストランに入れる服装ではなかったため、隼が優莉に合わせてランクを下げたのだろうけれど。


「でもね、すっごくおいしかったの」


サンドイッチがあそこまでおいしいものだとは思っていなかった。軽く見ていてごめんなさいとサンドイッチに謝りたい。


「それからなにしたの?」
「水族館をちょこっと見て……それでおしまい」


簡単に説明して終わらせる。


「え? それだけ?」
「うん」


細かく話せばそれだけではないが、なんとなく省略した。


「手をつないだりとかしなかった?」
「えっ!?」


ロマンチックにつないだのとはわけが違うとしても、ギクッとしたのは否めない。
でもそれは足の遅い優莉を引っ張るため。犬の散歩で使うリードの役目だ。

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