仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
「ったく、どんな想像してるんだよ」
「へっ?」
隼にコツンと小突かれた頭を反射的に両手でかばった。
「今考えたようにしてほしかったら、もう少し色気を身につけてからにした方がいい」
目を細めた意地悪な顔をして隼がニヤッと笑う。
頭の中を見透かされて恥ずかしい。
「そ、そんなのわかってますからっ。子どもっぽくてどうもすみません」
やけになって言い返した。これでは本当に子どもと同じだ。
クククと笑った隼の肩が揺れる。
恩人でもあり、社長という大それた相手に対してどうかと思うが、なんだかちょっと悔しい。
隼が自分を女性として見ていないのは百も承知。ただ条件反射で変な想像をしただけに過ぎない。
「それじゃ、俺は先に寝るぞ」
リモコンで段階的に明かりを落とし、隼がベッドにもぐり込む。