仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
「やだ、今すぐそんなの消してください」
誰かべつの人に見せられたらと思うと気が気じゃない。
「後で」
「やだ、消してくださいってば」
「だから後で」
「今すぐにしてください」
押し問答を繰り返す。
優莉がいくら懇願しても、隼はいたずらっぽく笑うばかり。スマートフォンをポケットに突っ込んで隠してしまった。
「コーヒー飲むか?」
話題を変えてキッチンへ向かった隼はコーヒーサーバーを持ち上げた。
むぅと唇を引き結んで隼を見る。
「いただきます」
低い声で返事をした。
「そんな怖い顔するなよ」
「もともとそういう顔なんです」
「眉間の皺が取れなくなるぞ」
「社長と違って若いから大丈夫です」