仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
くじ運のない自分に、みんながほしがるようなものが当たるわけがない。
「カード番号は?」
「何番だろう」
「やだ、見てないの?」
呆れる明日美にうなずき返す。見るより早くバッグの中だ。
「ちょっと見せて」
明日美は優莉が腕にかけていたバッグを奪い、中を物色しはじめた。
「あ、ちょっ……」
自分で取るからと手を伸ばすが、明日美はまったく取り合わない。なにか予感めいたものでもあるのか、必死にバッグの中をごそごそと引っかき回す。
そんなふうにしたらぐちゃぐちゃになっちゃう!という優莉の気持ちも完全に無視だ。
「あった」
「何番だった? 違うでしょ?」