強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
嘘でしょ? そんなことしないよね? 

そう目で訴えても相手にもされないどころか、ニッコリと微笑まれる始末。

「相手を欺くにはこの方法しかない」とまで言われ、まんまと八雲さんの口車に乗せられてしまった。

しかも、何を考えているのか母までもが調子に乗って“同棲”を提案してきて、話がややこしくなる。

「どうせ結婚するんだもの、同棲は基本じゃない? もう子供じゃないんだし、そんなに驚くことでもないと思うけど」

「そ、それは、そうかもしれないけど。一緒に暮らすとなると八雲さんの考えもあるだろうし、お父さんも……」
 
母たちは私たちが好きあっていると思っているだろうけれど、私と八雲さんの間には男と女の関係はない。キスはしてもそれはあくまでも訓練の一環で。

流石に八雲さんでも同棲までは了承しないだろうと、彼と顔を見合わせる。

何かを考えているのか八雲さんは一瞬眉根を寄せ、でもそれをすぐに戻すと不敵な笑みを見せた。


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