強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
エレベーターを出てそこがすでに玄関とか、初めての経験に驚くしかない。手を引かれ八雲さんについていくと、ふと足を止めた。
「八雲さん? 今更ですけど、ご両親と一緒に暮らしてるとか……」
「はあ? おまえは俺を何歳だと思ってるんだ? 三十三だぞ。それに芳奈と同棲するっていうのに、親が一緒に住んでるわけないだろう。ホントにおまえの発想は面白いな」
そうだよね。でも発想が面白いとか、こっちは全然面白くない。不機嫌に頬を膨らまして見せても、八雲さんは素知らぬ顔。やっぱり八雲さんは強者だ。
四十八階はワンフロア一部屋のペントハウスで、エレベーターを出るとそこはもう玄関。
マンションにしては驚くほど広い玄関と、洗練された美術品の数々に思わず見入る。これは八雲さんの趣味、なんだろうかと。
「……お邪魔します」
他人の家に上がるときの常識、当たり前の挨拶をしたのに、八雲さんに頭を小突かれる。暴力反対と頭をさすると、ズイッと端正な顔が近づいた。
「八雲さん? 今更ですけど、ご両親と一緒に暮らしてるとか……」
「はあ? おまえは俺を何歳だと思ってるんだ? 三十三だぞ。それに芳奈と同棲するっていうのに、親が一緒に住んでるわけないだろう。ホントにおまえの発想は面白いな」
そうだよね。でも発想が面白いとか、こっちは全然面白くない。不機嫌に頬を膨らまして見せても、八雲さんは素知らぬ顔。やっぱり八雲さんは強者だ。
四十八階はワンフロア一部屋のペントハウスで、エレベーターを出るとそこはもう玄関。
マンションにしては驚くほど広い玄関と、洗練された美術品の数々に思わず見入る。これは八雲さんの趣味、なんだろうかと。
「……お邪魔します」
他人の家に上がるときの常識、当たり前の挨拶をしたのに、八雲さんに頭を小突かれる。暴力反対と頭をさすると、ズイッと端正な顔が近づいた。