強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~

溺愛と義弟

お風呂から上がり、リビングへと戻る。

「八雲さん。お風呂、お先にいただきました」
 
ちょこんとキッチンに顔を出す。

「ああ。ちゃんと隅々までキレイに洗ってきたか? 髪もしっかり乾かせよ」
 
まるで父親に言われているようで、なんか変な感じ。十歳も離れていると、私はやっぱり子供なんだろうか。
 
風呂上がりは、薄いピンク色のスウェットを着た。もっと可愛いものや色っぽいものを着たほうがと思ったりもしたが、ここで可愛さや色っぽさは必要ないと判断。動きやすいスウェットを選んだ。

「手伝います」
 
まだやることは何かあるだろうとキッチンに入ったけれど、シンクもコンロもキレイに片付けられていた。カウンターからダイニングテーブルを覗けば、食事の準備が整っている。

「これ全部、八雲さんがひとりで作ったんですか?」
 
ダイニングテーブルの上には、色とりどりの野菜が入ったチャーハンとたまごスープ。真ん中には餃子が鎮座している。


















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