強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
「騙されたと思って、一度目を通してはくれないだろうか? 頼む、煌月」

頭を下げる八雲さんを見て、胸が詰まる。本当なら私が自分でやらないといけないことなのに、私は八雲さんに何をやらせてしまったんだろう……。

「八雲、顔をあげてくれないか? 俺はおまえに頭を下げられるのが、昔から一番苦手なんだ。わかった、今日中に見ておくよ。だたそれで俺の心が動くかどうかは、保証できないけどな」

「ああ、それで構わない」
 
ふたりの間で、約束が交わされる。それはふたりの心の中でしかできないことで、私は黙ったままふたりのことをただ見つめていた。





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