強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~

副社長と記憶


普段感じたことのない、体の重さに目が覚める。

どうしてひとりで寝てるのに、こんなに重いわけ? それに私の枕って、こんなに硬かった?

首のあたりの違和感に寝返りを打ち、ゆっくり目を開ける。すると目の前に、見知らぬ男性の寝顔が。

世の中に眠ってる顔がこんなに素敵な人がいるんだ──しばらく見惚れる。

でも時間が立つにつれ寝ぼけていた頭が正常に働きだすと、突如恐怖におののいた。

「っ!!」
 
なんで! そう飛び起きようとした体は、男性の腕と脚ががっちり絡まっていて身動きひとつできない。触れ合っている肌が、やけに熱く感じる。
 
──って、肌っ!?

パッと目線を下げる。すぐに下着しか付けていない自分の体が目に飛び込んできて、愕然と目を閉じた。

でも、よかった。お気に入りの下着つけてて……。

……って違―う! 気にするの、そこじゃないでしょ! 一体全体、どうしてこんなことになってるの?


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