強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
言われるままにくるりと後ろを向くと、八雲さんは私の髪を片方に束ねる。首元に腕を回し入れ、慣れた手つきでネックレスをつけてくれた。
 
こんなことがスマートにできる八雲さんはやっぱり大人で。

八雲さんから与えられるひとつひとつの動作に戸惑うことしかできない私は、まだまだ子供だと思い知らされる。

「明日つけてほしい」
 
そう八雲さんがささやくと同時に、首筋に熱くて柔らかい唇が触れる。強く吸われると、チクリとした痛みに身体が痺れが走る。経験したことのない身体のざわつきに、自分で自分を抱きしめた。

「明日が楽しみだ」
 
私の戸惑いをよそにニヤリと微笑を漏らす八雲さんを見て、盛大なため息をしたのは言うまでもない。





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