どんなきみもだいすき

 俺は、無意識にベッドで寝てるみいに視線をやる――…



 (……かわいい)

 すやすやと、俺のベッドで無防備に寝るこいつは

 ほんとにかわいくて、一度みたら目が離せなくなる。


 『おーい、奏多ちゃーん』

 『そんな気持ち悪い呼び方すんな』

 『お前今さみいちゃんのこと考えてただろ?』

 『……! なんでわかんの』

 『連れ歴、何年だと思ってんの?何年ダチやってんだよ、ナメんじゃねえっつーの。バー奏多』

 『ば奏多とか酷すぎなんだけど…』

 『ははっ。お前さ、俺と話す時とみいちゃんに話すときの口調、違うよな』

 『……あぁ、うん』

 『自覚してたんだ?お前のことだからさ、わかってねえのかと思ってたわ』


 確かに、寛貴の言う通り俺は話すときと少し口調が違う。

 なぜかわからない。

 どうして、口調が変わってしまうのか…。

 もう二十歳なのに、わかんなくて悩んでんだよ。
< 122 / 218 >

この作品をシェア

pagetop