どんなきみもだいすき



 『………ん…っ』

 ベッドで寝ているこいつは、寝返りを打ちながら声を漏らした――…


 『こんな声とか他の女なら…何も思わないのに、みいとなるとそうはいかなくなるんだよな……』

 咄嗟に出た言葉に、俺は口元を袖で隠した。


 『…奏多、お前………』

 『……』


 俺は、しばらく黙りこんでしまった。
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