どんなきみもだいすき

 『お前…自分でわかってたの?』

 寛貴は、少し戸惑っているかのような声をしていた。

 『わかってるもなにも、俺はみい程…鈍感じゃないんで』

 ふっと、口角を少し上げて奏多は笑った。



 『うわあー…、お前ほんとツンデレドSメガネだな』

 寛貴は、うんうん…っと呟いながら頷いていた。


 『メガネって…俺、授業中しかメガネかけないんだけど』

 『突っ込むとこそこかよ! つーか、あとの言葉は否定しねえのかよ』

 『否定も何も、そう思われてるなら仕方ないでしょ』

 『あ?』

 『……わかったよ。そんなに怒んなって。俺はツンデレだしドSだよ』

 『…お前、何言ってんの?』

 『何って、冗談だよ冗談。からかわれたからやり返しただけ』

 『お前が言う言葉はな、いつも冗談に聞こえねえんだよ、バーカ』

 奏多と寛貴は、仲良く笑い合っていた――…
< 128 / 218 >

この作品をシェア

pagetop