どんなきみもだいすき


 『喘息で呼吸困難になって死に至ると、喘息死…』

 寛貴は、声のトーンを下げて呟いた。

 『うん。重度の喘息が出た時、呼吸困難になって死に至ることを喘息死って言う……って、お前………』

 俺は、寛貴の言葉に息を呑んだ。


 喘息死を詳しく知らない人が、俺の回りには結構いる。

 誰にも詳しく話したことないのになんで…?


 『…なんで、知ってんの』

 『なんでって、ガキん時に調べたんだよ』

 『……は?』

 調べた…?


 『まだ小さかった頃、奏多とみいちゃんと俺で遊んだことあったろ。そん時、みいちゃん喘息出て倒れ込んだじゃねえか…』

 『……あ』

 『そん時に、強い喘息持ちだって教えてくれただろ。で、調べたことあっただけだよ』

 『寛貴、お前………』

 『……俺はお前の友達だから力になりたかったんだよ、ガキなりに。ただ、あん時はまだ小さかったから調べるしか頭に浮かばなくてよ』

 俺は…寛貴の優しさに涙が出そうになった――…
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