どんなきみもだいすき


 話している内容は、勿論みいのことだった。

 耳を澄ませて先生達の会話を聞こうとした。

 (なんだ…悪い話しはしてないんだ)

 と、安心した束の間…


 『けど、はっきりいって迷惑よね』

 (…迷惑?)


 『ちょっと…迷惑って、高野先生その言い方はよくないです』

 次に俺の担任が、みいの担任にそう言った。

 『あらやだ、川口先生は迷惑じゃなかったの? 急に倒れたのよ、あの子』

 『わたしは迷惑とかそういう事は思いません…。みいちゃんの体が弱いことは、奏多くんと三者面談をした時に聞いています』

 『迷惑じゃない。授業は止まるし救急車は来るし、あたしまで病院に連れてかれるわ、ただでさえ教師は給料安いのに、割に合わないわよ。勤務外だわ』

 『そんなっ! どうして、そういう考え方しかできないんですか?生徒が倒れたんですよ? 高野先生酷いです…!』


 この時、初めて…俺の担任が怒鳴っているのを聞いた。
< 143 / 218 >

この作品をシェア

pagetop