どんなきみもだいすき
『立派な口答えなこと。わかりたくもないなら、それでいいんじゃない?あたしが教師になった理由は給料が安定するから。あと、教師ってだけで自分の価値も上がる。ただそれだけよ』
『…結局は自分のことしか考えてないんですか』
『えぇ、そうよ? だから勤務外だって言ってんの! 確かに給料は安定してるけど、安いわよ。割に合わないわ』
『大体ね、体が弱いのに学校に来さす親もどうかと思うわ。周りが迷惑するのわからないのかしら? たかが喘息で大袈裟なのよ。死ぬわけでもないのに、学校は病人の面倒を見る場所じゃない。こんなの二度とごめんだわ』
『……! 高野先生、あなたは人として教える立場の人間として最低です! 自分が何を言っているのか、わかってるんですか!?』
『わかってるわよ。最低? なんとでもいいなさいよ。あたしはこの考えが間違いだなんて思った事、一度もないわよ!』
『……っ!』
俺は、自分の妹のことを…こんなに酷い言葉で言われている事に
辛くて…悲しくて、悔しくて…これ以上は、聞きたくなくて
耳を塞いで…下を向いて、目を瞑って
ただ…泣いていた。