どんなきみもだいすき


 さっきの声は、紛れもなく母さんだった。

 『…お…かあさん…おとうさ…ん』


 俺は、涙声で途切れとぎれに言った。


 すると、母さんと父さんは…俺を優しい目で見た。

 父さんは、俺の頭を優しく何度もなんども撫でてくれた。

 母さんは、俺の手を優しく包み込んで

 『…待たせちゃってごめんね』

 と、微笑んで言ってくれた。


 そして――…

 母さんは、父さんに 奏多をよろしくね

 と言って、

 先生たちのいる教室の中に入っていった。
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