どんなきみもだいすき



 『到着♪』

 お母さんの声でみんな、学校を見る。



 『ここが…みいの行く高校なんだな』

 お父さんは、少しだけ微笑んでみいの頭を軽くなでた。

 『頑張るんだぞ。みい』

 『…うん』

 わたしは、頭を撫でられることに慣れていなくて

 少し恥ずかしくなる…。



 すると――…

 お兄ちゃんからの視線を感じた。

 『顔赤い』

 『……え』

 『ほんと…ふふ。純粋な子ね』

 『父さんに、撫でられただけで赤くなるのか』

 お兄ちゃんもお母さんもお父さんも、微笑んでいた。
< 15 / 218 >

この作品をシェア

pagetop