どんなきみもだいすき

 『ご覧の通り…奏多にもまだ詳しく話していません。知っているのは隆司さんと病院の先生だけです』

 『…ごめんね、奏多。お母さん詳しく話せなくて。なのに、これ以上なにも言わないお母さんに聞いてこなかったよね。奏多は…たくさん我慢してくれて、話してくれるのをずっと待っててくれたんだよね…ありがとう』

 母さんは俺の目線に合わせて、しゃがみ込んで

 そう言って…優しく抱きしめてくれた。


 『…お母さん』


 俺は、また涙が溢れた――…
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