どんなきみもだいすき


 『…みいは、知っている通り産まれつき身体が弱いです。あと…軽い喘息持ちだとも言いましたが、本当は違います』

 俺と、川口先生と高野先生は

 えっ…と、驚いた顔をした。


 小さく息を吸い込んだあと母さんはまた口を開いた――…



 『正確には…からだが弱くて、かなり強い喘息持ちなんです。命に別状がないと高野先生は言いましたが…本当は違います』

 『…みいは、喘息の発作が出たら…呼吸困難になります。症状が重症化した場合は…喘息死で死に至ります』



 『……みいが…死ぬ…』

 俺は…そう呟いたあと、頭の中が真っ白になった。



 『…じゃあ、今日…みいちゃんがビニール袋を口に当ててたのは…』

 『…呼吸ができにくくなっていたからです』

 川口先生と、母さんはそう話していた。
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