どんなきみもだいすき

 『あ……『あんた大丈夫?』

 彼が何かを言おうとしたその時、奏多がみいの元へ走ってきた。

 『お兄ちゃん…』

 すると、奏多はみいの目の前にいる彼に目線を向けた。


 『誰?』

 『…すみません、俺が彼女にぶつかってしまって』

 『あぁ…またか』

 『また…?』

 『いや、いつものことなんです。こいつ…いつもぼーっとしてるから、誰かとぶつかるなんて日常茶飯事だから』

 奏多は、みいの頭をポンポン――…っと、撫でた。


 『だから、気にしないでください。ほら…あんたもきちんと謝って』

 『あの…ぶつかってしまってごめんなさい』

 彼の目を見て、ペコッ――…っと、頭を下げて言った。
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