どんなきみもだいすき

 ただ…玄関に立ち尽くしている二人。

 とくにお互い何かをする訳でもなく

 ただ、お互い見つめ合っていた――…


 『…マヌケ顔』

 『…酷いよ』

 沈黙を破ったのは奏多だった。

 そう言ったあと奏多はクスッ―…っと、笑った。


 『…あのさ』

 無表情でいつものようにクールな態度な奏多。

 『…なに?』

 『留年だけはするなよ』

 『うん。がんばる』

 『…そ』

 『…うん』


 『……』

 『……』


 また沈黙になる。
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