【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
……あれ?
葉月くんって、日誌にびっちり書いてたけど、みんなのこといつ見てるの?
いつも机に突っ伏して寝てるか、ふらっとどっかに行っちゃうのに?
ひとつ、ふたつ、と疑問が交差した直後。
「すごいのは羽澤さんの方」
「……!?」
ちょ、葉月くんが喋った……!?
私は飛びつくように振り返って、葉月くんを見る。
今、私のことを呼んでくれたよね?
喋らなかった葉月くんが!?
「あの、私が……?」
座ったままの葉月くんに聞き返しながら、食い入るように見てしまう。
「そう。誰とでも仲良く出来そうだから」
「そ、そうかなぁ……」
そんな風に言ってもらえたことは初めてだったし、咲希ちゃんみたいにコミュニケーション能力は高くはないけれど。
でも、隣の席の葉月くんにそう思ってもらえていたことが素直に嬉しい……!!
葉月くんは、もしかしたら話すのが苦手なだけで、こうやってちゃんと会話してくれる人なのかもしれない。
裏があるなんて、決めつけてしまったことを反省しなきゃ。
けど、そんな私の喜びと申し訳なさは、一瞬で吹っ飛ばされる。