【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


うわぁ……可愛い、あのパンプス!


スウェード素材にファーがあしらわれていて、足首の細いストラップ部分にはパールが光ってすごく可愛い。


でも、いつもローファーだったりスニーカーが多い私には似合わないし、ちょっと大人っぽいかも……。



「へぇ。羽澤ってこういうの好きなんだ?」


「……!?」



ついつい釘付けになってしまった私の後ろから聞こえた葉月くんの声に、肩をビクリと揺らした。



「気になるんでしょ?」


「ううん……!私にはまだ早いっていうか、大人っぽいっていうか……それに、いつもスニーカーだし、咲希ちゃんみたいにスタイルが良い人だったら、可愛いなって!」



私は全力で否定してみせる。


こんな大人っぽい靴に見惚れていたなんて、途端に恥ずかしさが込み上げてきたから。


咲希ちゃんになら似合うこと間違いなしだけど。



「ふーん。“まだ早い”……ね?」


「なに、葉月くん……?」



手を繋いでいない方の手を顎に添えて、考える素振りをしている。



「可愛いんじゃない?」


「え?」

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