【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


可愛いって……。



「あ……あのパンプス……ね!?私も、可愛いなって思って……」


「靴じゃなくて羽澤が」


「……へ?」



思いもよらない言葉に、私の耳はなんか詰まってんのかと思ってしまう。



「3年後の羽澤があの靴履いたとこ想像した」



3年後の、私……!?



「な……なに言ってるの葉月くん!?」



勝手になに未来の私を想像してるの……っ。


恥ずかしいだけだからやめてほしいよ葉月くん!


全身の熱が顔に集中したように熱くなる。



「もう!ま……またそんな、嘘かホントかわかんないこと言って、からかってるんでしょ!」



なぜだかぷいっと背中を向けた葉月くんに、必死に文句を浴びせても、本人は全く聞いちゃいない。



「やば、可愛すぎだろ。なんなのこいつ、ふざけんな……」


「え、なに葉月くん?私の話し聞いてる!?」



回り込んで顔を見ようとしたのに、そのまま手を引いて歩き出すから、私は唇を尖らせるはめになった。



ダメダメ、このままじゃいけない!


調査に集中しなきゃ!

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