【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「期間限定なんだろ?」


「……あ、ちょっと、葉月くん!?」



私の手を引き戻した葉月くんは、有無を言わさず注文カウンターへと進んでいく。


動揺している私にどれが食べたいのかを聞いてくれて、咄嗟に“SNS映え間違いなし!”と書かれたメニューを指さすと、スマートに頼んでくれた。



「あの……ありがとう、葉月くん!それにごめんね、ここに付き合わせちゃって……」



イチゴと生クリームたっぷりのクレープを手渡され、お店の前のテラス席に座ると、私は心から謝罪とお礼を伝えた。



「それ、アイスもトッピングされてるんでしょ。早く食べないと溶けるよ?」


「でも……私だけ食べちゃっていいのかな?」


「いいよ」



隣に座る葉月くんをチラッと見て、私は「いただきます」と小さく呟いた。



「羽澤って甘いの好きなんだ?」


「うん!でも、ジャンクフードも好きだよ!」


「マックとか?」


「マックも好きだけど、特にコンビニのレジの横の……って、なに言わすの!」



答えている途中で葉月くんがもう笑ってる。

< 125 / 321 >

この作品をシェア

pagetop