【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「全然……調査になってないかも……」
当初の威勢などとっくに消え去った私の口から本音が零れ落ちる。
「聞きたいことあるなら聞けばいいのに」
「い、いいの……?」
その言葉に甘えて、意を決した私は思い切って葉月くんに聞いてみることにした。
「葉月くんは、友達……ほしい?」
飛鳥くんは心配していたけど、葉月くんはいつもひとりでいようとするから。
葉月くん程の人なら、本当は今頃たくさんの人に囲まれているんじゃないのかな……。
運動だってきっと手を抜いてるだけで、本当は抜群で、みんなのことだってよく見ていて。
神様から与えられたその容姿だって、隠しちゃったらもったいないよ。
「別に」
「え……葉月くん!強がらなくていいよ!?だって、やっぱりひとりって寂しいと思う!」
飛びつくように見上げると、葉月くんは空に溶けてしまいそうな雲みたいに淡く微笑んだ。