【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「葉月くんってば、自分でわかってないんだよ。メガネがあってもなくても、葉月くんは葉月くんでしょ?」
変な葉月くん……と。
「私はどっちも好きだよ!?あっ、でも……葉月くんが、自分らしくいれる方がいいと思う!」
西に傾く太陽を背負った羽澤が、ふわりと微笑んだ。
その屈託のない笑みを浮かべる羽澤の瞳と視線が交差した瞬間、心臓が一際大きく高鳴った。
先に視線を外したのは、悔しいけど俺の方。
「でも、まだ葉月くんのことちゃんとわかってないから、私も本格的に調査を進めないと!」
本当、全然わかってないでしょ。
今俺の方がお前の顔見れないとか、こんな顔見られたらどうすんだって焦ってるとか。
諦めてほしかったのに、諦めてほしくないって思ってるとか。
きっと羽澤は、少しもわかってない。
どんだけ俺の頭の中占拠すれば気が済むわけ?