【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「あれ?琴莉……?琴莉だよねー!?」
突然、見知らぬ制服を身に纏った女子がふたり、羽澤の存在に気づいて取り囲んだ。
「え、すごい偶然!久しぶりー!!」
驚きと歓喜の声をあげる羽澤が振り返り、「小学校の時の友達なの!」と、申し訳ない表情で眉を下げた。
ガードレールに腰を預けて、羽澤と友達がはしゃぐ姿に目を向ける。
「……ね、琴莉。ま、まさかだけど、一緒にいるのって……さ?」
「琴莉ちゃんの彼氏?」
「なっ、違……っ」
チラっと俺を見て、気まずそうな視線を寄越す。
「あははっ。だよね……?なんか、あまり琴莉とは合ってないっていうか……」
本人達は聞こえてないと思って話してるんだろうけど聞こえてる。
からかわれて恥ずかしいのか、羽澤の顔が真っ赤に染まった。
「なんだー。あの地味な彼、琴莉の彼氏じゃなかったんだね!」
「やめてよ……もうっ!彼氏なんてそんな、恐れ多いよ!」
「え?」
……バカ。