【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「なに黙ってんの?俺に聞きたいことあるんじゃないの?」
そりゃ山ほどあるに決まってる……!
だけど、葉月くんがあまりにも近いせいで、私の顎をつまんでるせいで、うまく声に出来なくて口ごもってしまう。
「顔、熱いね?」
か、からかってるんだ……っ。
その途端ものすごく悔しくなった私は、叫ぶように葉月くんに口を開いた。
「……こ、このメガネもっ、カモフラージュでしょ!ズルいよ葉月くん!」
人のことを笑っておいて、顔を隠してるなんて!!と、葉月くんの目元を隠し続けているメガネを奪った。
そして私は、こんな至近距離で葉月くんのメガネを奪ったことを一瞬で後悔した。
「……っ!?」
メガネを奪った拍子で、長い前髪がサラリと流れ、葉月くんの素顔が露になった。
目の前にいる葉月くんに、私は何度も目をパチパチさせる。