【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「どうせなんにも出来っこないんだから。知らなくていいのよ」


「でも、私は……今は何か出来たらって思います……だから、葉月くんのことをもっと知りたいです……」



葉月くんと関わらないでと言われても、生意気かもしれないけど素直に従えない。


はぁ……っと、わざとらしいくらいの溜め息が聞こえる。



「深入りして傷つくのはあなただと思うわよ」



私が傷つく?


その真意はわからないけど。

でも、葉月くんは人を傷つける人じゃないってことはわかっているつもりだった。



「湊音のテリトリーに入っていいのはわたしだけ。わかったら、二度と湊音を知ろうとしないで!」



半ば叫びながら鋭く私を睨むと、これ以上話すことなどないと東條先輩は踵を返した。



「無力なくせに。本当、騒がしい鳥みたいね。その名前ピッタリよ」



私はしばらく、その場から動けなかった。

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