【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
飛鳥くんと東條先輩が、葉月くんの幼なじみで。
きっと、葉月くんの秘密に繋がっている気がした。
答えの出ないことを考えて教室に戻る。
「あれ……葉月くん?」
誰もいない教室に、まるで初めて葉月くんの声を聞いた日と同じように、葉月くんは自分の席に座っていた。
「……葉月くんまだ残ってたの?」
急ぎ足で席に戻ると、葉月くんは顔を上げて真っ直ぐに私に視線を送ってくる。
「今日は元気ないんじゃない?」
「……、」
「廃業にしたの?」
「……だ、だから、探偵じゃないってば」
クスッと笑った葉月くんの声が聞こえて、いつもの葉月くんだって思ったら、心配されてるのは私なのになんだか安心する。
「じゃあ推理につまってんの?」
だって、東條先輩の忠告と、飛鳥くんの苦しそうな顔が頭から離れない。
「つまってるよ……っ、それはもう、つまって困ってるくらいで……」
その時、カバンの中にあるスマホが振動した。