【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
グ~っと私のお腹が鳴った。
「あ……あの、これは私本人じゃなくて、お腹の住人の方で」
ぷっ……と笑った葉月くんが、ようやくこっちを向いた。
心なしかほんのり赤く染まって見えたのはきっと気のせいだ。
赤面する私は結局、追求どころかそれ以上は口も開けず……。
何か食べようということになり、葉月くんの部屋を出て一階のキッチンへと向かった。
「じゃ、じゃあ私……麺茹でる係する!」
レトルトだけどパスタならある、とのことで手伝おうとコンロの前に立つ。
「出来るの?」
「もちろん!」
「座ってればいいのに」
「それはダメだよ!ひとつくらい調理出来ないと、嫁の貰い手ないってお母さんも言ってたから!」
……茹でるだけだし。
私は葉月くんからパスタを受け取り沸騰したお鍋に入れる。
「貰い手ない方が俺としては好都合なんだけど」
「それじゃお父さんが悲しむとも言われたし……」
すると、タイマーをセットした葉月くんが、はぁ……と溜め息を零した。
「……意味わかってないだろ、絶対」
「え?何が?」