【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


疑問符が飛び交ってお皿を用意する葉月くんに聞き返したけれど、「なんでもない」と、あっさり言われてしまった。



もちろん、貰い手がない時は潔く独身を貫く覚悟だ!


……ちょっと寂しいけど。



「出来たよ葉月くん!ここに並べるね!」



白を基調としたダイニングのテーブルに、お皿に盛り付けた熱々のミートパスタを並べた。



「ありがたくいただきます葉月くん!」


「なんで俺に言うんだよ」


「いや、だって……葉月くんのお家だし……」



ご飯までしっかり頂けるなんて感謝しかない!


そういえば、葉月くんと向かい合ってご飯を食べるのは初めてだ。


学校じゃこんな風に一緒にお昼ご飯食べたことは一度もないから。


嬉しいのに、正面に葉月が座っているせいか、少し照れくさい……。



「あの、葉月くん……」


「なに?」



無駄な音を一切立てずに、フォークを器用に使いこなしパスタを口に運んでいく葉月くん。


私の頭の中に浮かんできたことを話そうか迷っていたけれど、やっぱり切り出すべきだと思い口を開いた。

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