【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「なんで、陰キャなんて呼ばれてるのに、わざと演じてるの……っ」
その代わりに出てきたセリフがこれだった。
「そんなに気になるなら当ててみなよ?」
葉月くんが煽ってくるから、私の覚悟は瞬時に決まった。
「あ、当てるよ!最初から裏があるかもって思ったのは私だもん……。絶対、葉月くんが素顔を隠す秘密を見つけるから!」
ヘボ探偵だと言われようとも、私は絶対に葉月くんの秘密を暴いてみせるから……っ。
「簡単に当てられると思わないでね?」
私の手からメガネを奪ってかけ直す。
いつも通りに戻ったはずの葉月くんなのに、こっちを見ているせいか顔がハッキリ見えるから、とても陰キャ総選挙第一位とは思わない。
それどころか、不覚にも鼓動が高鳴ってうるさいくらいだ。
「明日から調査開始だよ葉月くん!」
今度こそカバンを持って帰ろうと背中を向けた。
イケメンとはいえ、体育祭でもわざと狙ってるくらいだし、葉月くんはなかなか腹黒い……。
「わわっ……!?」
調査するにも用心しないと、と思ったとほぼ同時、突然後ろから腕を引っ張られた。