【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


参ったでしょ!?


顔を前に出して、葉月くんがいつもしてみせるように得意気な表情を浮かべた。



「違うよ?」



ぷっ……と、葉月くんが軽く吹き出して笑った。


じゃあ今度は何を言い出すのか、と思っていると。



「彼女と一緒に住んだらこんな感じ?」


「……っ、か、彼女!?葉月くん……なに言ってるの……!?」



まさかの仕返しをくらうとは思いもしなかった。



「同じに家に帰って飯食って話して。そうじゃないの?」



ダメだ……葉月くんの考えてることが読めなさすぎて、私の方が参ってる。



「私、彼女じゃないよ……っ、」


「今はね?」


「え!?」



精一杯の抵抗をしても、思いもよらぬ言葉が返ってきたことに驚いて、弾けたように顔を上げた。



「なんてね?」



ぐぬぬ……。

完全に葉月くんにやられてる……。


って……飛鳥くんのことまでしっかりはぐらかされたんじゃ!?

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