【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「なに怒ってんの?」
「お、怒ってないけど……誤魔化されてるみたいで気になっちゃったじゃん!」
飛鳥くんのこともだけど……。
「そういうとこ好きだよ?」
「……!?」
なのに葉月くんは、私に拍車をかけることを止める気はないらしい。
「風呂溜めてくる」
本当に、葉月くんはどこまで私に追い討ちをかけるの!?
す、好きって……ライクとラブの二種類があるよ葉月くん!
「気になって仕方なくさせてんのはどっちだよ」
葉月くんが何か言いながら廊下へと向かっていったけれど、頭の中が渋滞を起こした私の耳には聞こえているわけもなく。
それにお風呂なんてどうしよう……!
人様の、ましてやクラスメイトのお宅にお邪魔してお風呂まで……?
入らないとなると、女子力の低さを通り越してただのドン引きの対象になるのでは……?
こういう時は咲希ちゃんに頼るに限る!と思ったのだけど。
SNSと雑誌から得た情報量を持つ咲希ちゃんという名のお客様相談窓口に問い合わせたかったが、あいにく仮眠中のため休業中だ。
もー、咲希ちゃんってばこういう時に!