【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
私はしばし、葉月くんのお部屋で体育座りをしたまま呆然としていた。
学校での“裏”葉月くんもなかなかだったけど。
学校以外での“裏”葉月くんは、破格の強さを見せる……。
こんなんじゃ、葉月くんの秘密になんてとても辿り着けっこない!
……だけど。
今日の葉月くんはよく話してくれて、私の顔を見てくれて、いっぱい笑ってくれた。
葉月くんの笑顔……好き、だなぁ……。
頭の中で思い返すと、その気持ちが染みるように広がっていく。
───ガヂャッ
「葉月くん……おかえり、なさい」
視界の端っこで葉月くんが部屋の中へ戻ってきたことを確認する。
「熱……」
「っ、」
パタパタとシャツを扇ぐ仕草と、チラッと一瞬見えた葉月くんの鎖骨。
女の私より色気があるのでは……?
目のやり場に困っているとも知らず、葉月くんは私の前に腰を降ろした。
近いよ葉月くん……っ!!