【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


お風呂上がりのアイスは極上だし……。


傾けられたアイスをひと口だけ頬張ると、甘いバニラの味が広がっていく。



「すごい美味しい!」



さすが期間限定だけあって濃厚だ!


って、ちょっと待って……?


葉月くんが食べたアイスを私が食べたってことは、つまり……間接的にキスをしたってことで……。



「動揺しすぎ」


「してないよ……っ!」



すぐさま私の心情を読み取ったみたいに葉月くんが口角を上げて笑った。



「……わ、私っ、もう寝ます!」



逃げるが勝ち……というわけではないけど、耐えきれそうになくて床に転がった。



「ダメ。だったらベット使って?」


「ううん!それこそダメだよ!さすがに悪すぎる!」


「ダメ。風邪引く」


「いやいや、大丈夫だよ……!」



葉月くんがアイスを食べ終わるまで、このやり取りを数回繰り返し、両者一歩も譲らずにいたのだけど。

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