【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「エロいこと考えてないって言わなかった?」
「そ、そ、そうじゃなくて……っ」
しどろもどろになっている間に葉月くんが部屋の電気を消した。
「なんで消すの!?」
「寝るからに決まってんじゃん」
ごもっとも……。
「羽澤こそ何考えてんの?」
暗闇の中でも葉月くんが笑ったのがすぐにわかる。
背中を向けて眠りについてくれることを祈ったのに、再びベットに入ってきた葉月くんがこっちを向いた。
これ以上は心臓がおかしくなるから、あっち向いてよ……っ。
「顔赤い?」
「……そんなことない!」
暗闇じゃ見えるわけないんだから、と強がってみせたけど、葉月くんはさらにその上をいく。
「ちょ……っ」
「やっぱり赤いんじゃない?」
すっ、と手を伸ばして、手の甲で私の頬に触れた。
葉月くんのその手は、いとも簡単に私の見え透いた嘘を見破った。