【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「エロいこと考えてないって言わなかった?」


「そ、そ、そうじゃなくて……っ」



しどろもどろになっている間に葉月くんが部屋の電気を消した。



「なんで消すの!?」


「寝るからに決まってんじゃん」



ごもっとも……。



「羽澤こそ何考えてんの?」



暗闇の中でも葉月くんが笑ったのがすぐにわかる。


背中を向けて眠りについてくれることを祈ったのに、再びベットに入ってきた葉月くんがこっちを向いた。



これ以上は心臓がおかしくなるから、あっち向いてよ……っ。



「顔赤い?」


「……そんなことない!」



暗闇じゃ見えるわけないんだから、と強がってみせたけど、葉月くんはさらにその上をいく。



「ちょ……っ」


「やっぱり赤いんじゃない?」



すっ、と手を伸ばして、手の甲で私の頬に触れた。


葉月くんのその手は、いとも簡単に私の見え透いた嘘を見破った。

< 178 / 321 >

この作品をシェア

pagetop