【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
え……!?
たちまち背中から傾いていく身体は、葉月くんの胸にポスッと受け止められる。
な、なに……?
手首だって、しっかり葉月くんに掴まれている。
「言い忘れたんだけど」
……と、思考回路が停止しそうな私に、葉月くんの声がすぐ耳元で聞こえるから大変だ。
「───みんなには秘密だよ?」
イタズラっぽく囁く葉月くんの声に、心臓が飛び出しそうになった。
「わ、わかってるっ、よ………」
これ以上、動揺してるなんて悟られたくない私は、精一杯声を振り絞って答える。
よかった、後ろ向きで……。
こんな顔を見られたら、また葉月くんにからかわれるかもしれないから。
早くも知ってしまった“裏”葉月くんの存在に、私は早速圧倒されたのだった。